「GGRKS」から「OK Google」へ ~視覚障碍者である私のGooleHome生活~


こんにちは、高橋です。
GoogleHome、AmazonEcho、LineClovaなど2017年はスマートスピーカーの発表が相次ぎましたね。
弊社でも何台か購入しまして、実験的に生活の中で利用し始めています。
今日はいつものブログと趣を異にして、GoogleHome利用者である弊社の諸熊君に、スマートスピーカーを利用して変化したことなど、語ってもらいます。

事前にご紹介しておくと、諸熊君は14歳の時に網膜剥離で視覚を失った視覚障碍者であり、弊社でアクセシビリティや音声ユーザーインターフェースなどのコンサルティングに従事してくれています。

~~~~(以下諸熊君)~~
こんにちわ、ユーアイズデザインの諸熊(モロクマ)です。
私は2017年10月、Googleのスマートスピーカー「Google Home」と生活を始めました。皆さんご存知の通り「OK Google!」と話しかけることで、いろいろなことができるというスマートスピーカーです。

私はよく、Skypeで友達と通話しています。
会話の内容は、たわいのないことですが、その中でわからないこと、気になることがあった時、今まではその都度パソコンでググっていました。
(キーボードでキーワードを入力し、音声読み上げソフトで該当する答えを探り当てる)私にとって、それは手間のかかる作業です。通話中だと、ようやく調べた回答をさらに相手に伝える必要もあり、めんどくさい段取り満載なんです。
でもGoogleHomeが来てからは、会話中に出てきた疑問ワードを、直接GoogleHomeに尋ねて、あとは通話先の相手と一緒に回答を聞くというスタイルに変わりました。まさに物知りな第三者が会話に加わった感じです。

また最近では、お店を探して予約する時にも、Google Homeが活躍してくれています。ジャンルを指定して近所のお店を検索し、概要やクチコミ、予約時間を確認、そして電話番号を聞き出す。この全てがGoogle Homeでできるのです。
あれ?「そんなことスマホでできるじゃん!」ですって!?
いやいや「そんなこと」じゃないのですよ。スマホを使うと地図が表示されますが、私は全盲ですから「地図を見る」ことはできません。それにリアルな生活でも隣にある建物を全く知りません。「看板が目に入る」ことも無いんです。だから近所にどんな店があるのか今まであまり知りませんでした。既知のお店について詳しい情報を検索することはありましたが、「家の近所でなんかあるかな」などと探索的、且つ手軽に検索できる手段が無かったのです。

こんなことを気兼ねなく聞けるのは、相手が人でなくAIだからなのかもしれません。
SNS上で「あれ教えて、これ教えて」と聞いていると、「ググレカス」と怒られてしまいそうだし、リアルな人間関係で、幅広くいろいろ聞こうと思ってもかなり絞り込まれた答えが返ってきてしまいます。お店を一つずつ説明する作業が大変だからだと思うのだけど。

人には聞けないけれど気になったこと…
普段は何気なく通り過ぎるあんな処やこんな処…
「気兼ねなく聞けること」「思いついたら遠慮なく聞けること」
そんな機会が私の生活範囲を広げ、新たな経験の機会を与えてくれます。
それってすごい可能性だと思いませんか?

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諸熊君の体験いかがだったでしょうか。「気兼ねなく聞けること」の価値。
インターネットを手に入れてから、情報は自力で調べろ「ググレカス!」な価値観が蔓延してますが、ほんとは誰かに聞きたい、聞いて済ませたい、というシーンはたくさんあります。視覚障碍がなくても、例えば運転や家事など作業をしながら使いたいユーザーや、高齢者や幼児などスマホによる複雑な操作が苦手なユーザーへ向けて、新しい市場を創出する可能性に満ちています。
「え!自分でわざわざ文字を入力して調べてた時代があるの?信じられなーい!」なんて言われる未来が、もうすぐそこに来てるのかもしれませんね。

視覚障碍者の諸熊君がスマートスピーカーと広げていく生活については、今後数回にわたって連載していく予定です。テクノロジーが導く将来への期待もたくさんあるようです。シリーズ「モロクマ君が行く」に乞うご期待!