イノベーションを目指すためのチームのお話


イノベーションを目指す様々な取り組みにおいて、誰に何を提供するか?といったアイデア創出が最もフォーカスされがちですが、それと同じくらい大切だと最近感じているのは、イノベーションに取り組む組織、チームの在り方です。

最近いくつかのセミナーを受ける機会があり、組織論やチームビルドに関するお話で非常に共感したことがあったので、ご紹介したいと思います。

 

■チーム名を付ける大きな効果
富田欣和さんのセミナー『企業内イノベーションに挑む、デザイン思考講座』では、イノベーションに取り組むうえでのチームビルディングの必要性に関して、以下のようなお話をされました。

・メンバーの、個々の多様性を多様なまま引き出し、ヒエラルキーをなくしてフラットな関係性のチームを構築する
・そのためには、性別・国籍・年齢などのデモグラフィックな属性の多様性ではなく、個々の持つ能力や経験の多様性を開示して互いに認識することが重要
・そのために、プロジェクトチームにおいて、メンバー間で対話してチーム名を付けることが効果的である

つまりは、対話してお互いの理解を深め、何を目指したいのかを共有していくことが重要である、ということです。
実際にセミナーのなかのワークショップでも、最初の課題はチーム名をつけることでした。
チーム名をつけると、出てくるアウトプットも何となくその特徴が反映されたものが出てきやすかったりするそうですが、それはよくコミュニケーションをとってお互いを理解していればこそ、なのだと思います。

 

■変化できる組織になること
宇田川元一さんのセミナー『進化する組織、対話する組織~反脆弱的なプロセスとして考える組織デザイン~』の中で、組織の在り方として、以下のようなお話をされました。

・脆弱的(外部からの衝撃で壊れてしまう)ではない、永く続く組織であるには、「頑健性(=衝撃に対する強さ)」を追求するのではなく、「反脆弱性(=外部からの衝撃を受けて、変化して強くなれる性質)」を備えることが必要
・今の組織の在り様を、それが当然と思いこまず、目的や状況に応じて最適化し直すことができる組織であることが理想
・そのためには、内なる異質性を表出させ、語れる組織を作る

世の中の変化が大きい現代において、今の組織を当たり前と思わず、「どんな組織であるべきか?」を問い続け、違和感があれば声に出して話し合い、あるべき姿に最適化していくことが必要であるというのは、非常に納得感があります。

 

■対話によるチームビルド
私たちの行うコンサルティングでも、初めにチームメンバー間でのダイアログを行います。これまでの生い立ちや、自分の中のターニングポイント、仕事との向き合い方や抱えている課題など、自身の内面と深く向き合い、それを仲間に開示します。聞く側は、上下関係のないフラットな態度で臨み、批判したりアドバイスしたりせずに、それをそのまま受け止め、お互いの胸の内を共有します。
そうすることによって、これまでのコミュニケーションがなぜうまくいかなかったががわかったり、その後の取り組みの中で出てくる発言やアイデアを、表層的な良し悪しで判断せずに、その背景に思いをはせながら建設的に話し合いができる、よいチームになっていくのです。

 

■ぜひ対話を!
何か行動を起こす際、一人で何でもできるわけではなく、周囲にいる仲間と協力して取り組んでいくことがほとんどだと思います。しかし、富田さん・宇田川さんのお話にもあるように、状況に応じた適切な組織に変化することを厭わず、個々の特性を開示して多様性を認め合い、仲間同士で声を上げやすい空気感を互いに作る、というのは、実は難しいことで、できていないケースがものすごく多いような気がします。
しかしイノベーションを目指すには、仲間同士でお互いを理解し、良い関係と環境を整えることは非常に重要です。まずは身近な相手から、心を開いて、対話してみていただきたいなと思います。(竹中)