人の行動を変えるのは、本人のやる気か、厳しいルールか、心理的安全性か!?


ケース1:小学1年生に見る、心の安心による行動の変化

タスクに追われる日常

度々の我が家ネタで恐縮ですが、今回は小1の息子と就寝事情についてのお話です。
我が家は平日夜、9時半に布団に入る、というスケジュールで動いています。

保育園と小1の子どもをお迎えして買い物して帰宅後、夕食の支度・夕食・子どもの宿題・後片付け・風呂・歯磨きを済ませて時間通りに寝かすのは、なかなかのハードスケジュールです。
しかも子どもたちはテレビやおもちゃで遊ぶ時間をできるだけたっぷり楽しみたいので、なかなか親の思うようにテキパキと動いてくれません。

毎晩お風呂からあがるともうギリギリで、精一杯子どもたちを急かしておもちゃを片付けさせ、歯磨きをして、寝室に向かいます。その間、何度「急いで」「もう寝る時間だよ」「早く寝ないと、明日の朝起きられないよ」とツンケンした私の声が響いていることか・・・私も気持ちよくはないのですが、翌朝の支度をスムーズにさせるためには仕方がないと思っていました。

子どもとゆっくり関わることで起きた変化

ところがあるとき、思いのほかはやく夕食が終わり、早めにお風呂に入れる日がありました。
そしてその日は、お風呂を出たあと、いつもはほんの少ししか時間がないところ、20分くらい時間があまり、ゆっくりできました。
子どもの好きなレゴブロックでベイブレードを作る、という遊びを私も一緒に参加して、楽しく過ごして、それから「さあそろそろ時間だよ」と声をかけると、子どもたちは驚くほどスムーズにおもちゃを片付け、私も大きな声を出すことなく1日を終えられたのです。

 

それが楽しかったので、次の日も「ちょっと頑張ったら昨日みたいに早くお風呂できるから、そのあと遊べるよ」と言って、同様にお風呂の後にレゴベイを改造したり戦わせたりして、穏やかな夜となりました。
そして、遊び終わって歯磨きをする頃、こどもがこのように言いました。

「あー、おれさー、なんか、すごく安心してる感じがする」

毎日時間に追われて、私の怒号の中でいやいやタスクをこなす場合と、ゆとりがあって楽しく、自主的にタスクを進められるときとでは、子どもの気持ちがこんなにも違うのだと、驚きました。

時間になれば、その時やるべきことを行う、やらないのは、本人の自覚や先読みが足りないから。
そういう考えを、親の私は無意識にしてしまっていたのだと思います。

怒らない、怒鳴らない、ツンケンしない、子どもの好きなことを認めて、一緒に楽しむ、そういう時間が気持ちの安心と次の行動につながるのだなと思いました。

ケース2:社内SNSに見る、周囲との関わりによる行動の変化

社内SNS、活用できていないのは私だけ?かと思いきや・・・

私たちの会社では、yammerという実名制の社内SNSツールがあります。社内のコミュニケーションの活性化や業務に関する情報の効率的な共有などのために導入されました。

導入してから1年程経過して、それなりに定着してきているのですが、メンバーが約45人ほどいる中で、書き込む人や、書き込みに「いいね」をする人が限定的である、という状況がありました。

私自身も、yammerに挙がった書き込みをよく見てはいますが、自分が書き込みをすることや「いいね」を押すことをためらうことがありました。
例えばある記事に「いいね」をして、その次の記事にはしない、というのは、どのように説明すればよいのだろうか?などと考えてしまったり、また、自分の意見を会社全体に向かって発表することと同等のため、間違いのない情報で、きちんと書かなくては、というようなことを考えすぎてしまったりしていました。

そんな折「yammerには『心理的安全性』が不足しているのでは?」という指摘がyammer上にあがり、私だけじゃなかったのか、と驚き、それについて意見交換したく、ランチ会を開きました。

メンバーの感じていたyammerへの気持ち

私を含めた9名が集まり、いろいろな意見が集まりました。
書き込む情報の有益性や質が気になってしまう、そもそも明確なルールが決まっていないので戸惑う、見てる人が何を思っているか見えなくて不安、共有したいと思うことが特にない、などなど。私以外のみんなにも、様々な似たような心理があることがわかり、とても良い意見交換の場となりました。

そこでは、こんな風に変えてみてはどうか、というアイデアもいくつか出ましたが、この9人でいきなり大きな変革を行うことも難しいため、ひとつのアクションとして、話をした9名限定でグループを作り、運用してみる、ということを始めました。

話し合いの効果

しばらくの間、気心の知れたメンバー限定yammerで、ドラえもんを久しぶりに見て、興味深い道具が出てきたこととか、登山で出会ったライチョウの動画など、他愛のないやりとりをする中で、私個人の感覚として、ある変化が起きていることに気づきました。
45人のうちの9人、およそ2割と自分の感覚を共有して、受け入れてくれたことで、気負いというか、プレッシャーのようなものがなくなり、書き込むことのハードルがなんだか低くなったような感覚がありました。
いろんな人がいて、その人なりの書き込みをすればよい、というラクな気持ちになり、yammerに書き込む頻度が高くなりました。

それまでは、画面の奥の見ている人のことを勝手に想像して緊張してしまっていたのが、今は温かく受け止めてくれると思える人が8人もいる、という安心感からきていると思います。

まとめ:心理的安全性がもたらす行動の変化

私自身の体験と、息子の体験、2つの事例をご紹介しました。
人がタスクに取り組むように仕向けるために、よくあるのは、厳しく指導する、ルールを決める、ノルマを決める、などがあります。

しかし、まずは心を穏やかに、安心できるように配慮してあげる。それによって気持ちが安心していて、やるべきことはわかっているのであれば、自主的に取り組むことができるのだなと、感じました。
心理的安全性を感じられるような状況を設けることが、自発的な行動を促す、というのは、遠回りをしているように感じられても、実は最も効果的な方法なのかなと改めて感じました。